8月も終わりになろうとしていますが、今年はいつにも増して、平和や戦争が話題になったように思います。
政治の動きとともに、来年の戦後70年に向けて、私たちは何をすべきか、語り継がなくてはいけないのか、そんなことを考えた夏でした。
着物の世界にも戦争の影響がありました。
現在、須坂市のクラシック美術館では戦争柄の着物4点を展示しています。
写真が暗くて少し見えにくいですが、左端はグレー地に摩天楼と飛行機、日本を中心にした世界地図を描いた男物の襦袢右端は大砲模様の入ったねんねこです
中央は男の子向けの着物
ブルーと白の地に戦車、戦闘機、軍艦などが染められ、動物も戦争モード。
勇ましい男の子が期待された時代なのでしょう。
そして、女性の着物にも戦争柄があります。
単衣の銘仙ですが、落下傘模様が染め出されています。
美術館の解説によると、明治期から戦争柄はあったそうですが、はじめは男物の襦袢や羽裏など外からは分からない部分にあったようです。それが日清、日露戦争を経て、子どもや女物にも広まっていきました。
戦争柄は当時の最新ニュースを取り上げて柄にしたり、男の子には立身出世の願いを込められていたものもあります。
着物には縁起のいいものを柄にする伝統があるので、近代的な強い国日本という良いイメージを着物に取り入れたという解説には、なるほど、と思いました。そういう流れの中で戦争が自然に暮らしに取り込まれていった訳です。
戦争柄の着物は意外とあります。
詳しく知りたい方は「着物柄にみる戦争」という本をご覧ください。
NHKの朝ドラも戦争が近付いてきて、次第に着物が変わっていく雰囲気が感じられます。
着物から当時を考えることも大事、かも。
着物も華やかなことばかりではなく、こんな時代があったのだと知っていただきたく、少し、真面目に書いてみました。