岡谷蚕糸博物館 リポート その2 これが富岡の機械だ!

続きの2回目は富岡製糸場と縁のあるお話です。

入り口を入ってすぐのところにあるのが、なんともゴージャスな絵付けの「水分検査器」。水分検査器というのは、生糸の取引をする時に重量を一定にするため、生糸を無水の状態に乾燥し、上部に設置されていた天秤で重さを量っていた装置です。

この水分検査器は富岡製糸場の設立時にフランスから導入したわが国第一号の検査器です。

絵付けはフランスですので、鶴亀の描き方がヨーロッパ風? 一応、日本に行くことを意識してます。

側面にはフランスの田園風景も描かれています。

うーん、なんともいえないジャポニズム趣味ですよねえ。

その隣にありますのが、富岡で実際に使われていた操糸機です。日本に残る唯一のフランス式操糸機。富岡にあるのはこれのレプリカです。

富岡にはこの機械が25台、6列、合わせて300機が並んでいました。昭和17年に機械を入れ替えた際、そのうちの151.152番を片倉家で残したものです。

解説してくださる高林館長も誇らしげ。
ほんとに、処分してもおかしくなかったこの機械をちゃんと残した片倉家はすごいとあらためて思います。
フランス式を改良したのがこちらの諏訪式操糸機。

フレームは木製で、繭を入れる鍋が陶器製。体格の小さい日本人女性が1人で扱うのに調度いいサイズに改良されました。この諏訪式が全国に普及し、製糸業が発展しました。
フランス式では鍋が銅製でしたが、陶器に替えたことで糸が白くなるというメリットもあったそうです。

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