上田紬・小山憲市さんの展示会が銀座 清月堂画廊で開催中です。
毎年恒例のこの展示会。
去年も伺いましたが、今年はまた新たな小山さんの紬の魅力を発見できます。
手間と時間のかかる「手仕事」の分野で、毎年こうやって訪れる者を楽しませるのは、本当にすごいことだと思います。
熨斗目アレンジのおしゃれ着。
爽やかな黄色とグレーの配色が素敵です。
羽織ってみると、そのパキっとした色の切り替えが目を引くのですが、決して着る人より前には出ない、引き立ててくれる着物です。
近くで見てみると、すくい織で表現された羽根でしょうか。
葉っぱでしょうか。
ふわりと風に舞う様子が上品です。
かつては「小山さんといえばすくい織」というイメージに応えようと、無理していたこともある、と小山さん。その後、すくい織からは離れた時期を経て、今では「まず布を見て、必要であれば使う、そうでなければ使わないという判断ができるようになった」とおっしゃいます。
ざっくりとした糸と渋い色合いで、洋服感覚で着られる格子の着物も素敵ですね。
経糸に黒ではなく鉄媒染の茜染の糸を入れることで、男っぽくなり過ぎず、柔らかな色気のある着物になったそうです。
今年で14回目となる展示会。
訪れるお客様も、長年のファンの方が多くいらっしゃいます。
企画の石川利江さん(右端)と、お客様と。
石川さんがお召しになっているのは、10年程前の小山さんの作品。
明るい印象の素敵な縞で、私もほしくなってしまいました。
「縞ほど難しいものはない」と小山さん。
色の選択と幅。
1本変えただけでがらっと変わってしまうバランス。
しかも機にかけたら一切修正はきかない。
そこには経験とセンスが如実に表れてしまうそうです。
右から二番目のお客様は、実は去年もこのブログに登場して下さいました。
やはりエメラルドグリーンの鮮やかな色がお似合いです。
この着物は20年前の小山さんのデザインをもとに、お気に入りの色で作ってもらったものだそうです。
そして左端は、やはり小山さんのお着物で、女流講談師宝井琴桜さんです。
小山さんの「現在」と「今まで」が一堂に会する、滅多にない機会でした。
8日(日)まで開催中。
昨年オープンしたばかりの長野県のアンテナショップも近くです。
ぜひ、お気軽にお立ち寄りください。
場所:銀座 清月堂画廊 1階
時間:11時~19時(最終日は17時まで)