徳川のお姫さまの婚礼道具と生糸財閥の孫娘のお雛さま 県立歴史館

千曲市の長野県立歴史博物館で「愛娘の調度品~姫君様の婚礼道具から雛人形まで~」展が3月3日まで開かれています。


初公開の品と聞いていたのですが、見に行ってびっくり!
こんな素晴らしい調度品が県立博物館にあったとは。

展示品の半分は徳川家の三つ葉葵がちりばめられている婚礼道具。江戸時代後半の作で、これだけの支度は将軍家や御三家の関係のお姫さまの嫁入り道具らしい、とのこと。その模様から「丁子唐草葵紋蒔絵」と書かれていました。
手回りのものを入れる箱「子角赤」には、箱の側面にハート模様が四つずつある愛らしさ。

たくさんの金粉を散らした「濃梨子地」と呼ばれる漆塗りに蒔絵が施されています。

香木を入れた「沈箱」には、中に六つの小箱が入り、それぞれ「桐壺」「帚木」「若紫」「紅葉賀」「花宴」「葵」と源氏物語のタイトルに沿った絵が描かれています。

それから、お姫さまがお化粧に使ったであろう化粧筆やくしの数々。細かい部分にも葵の御紋が入っていました。

今でも使われている着物などを入れる「乱れ箱」
こちらは金箔が少ない「村梨子地」とのことでしたが、それでも立派な蒔絵細工。

文などを入れたのであろう「料紙箱」には、蓋裏にも豪華な蒔絵がありました。
細かい部分、見えない部分にも手を抜かない江戸時代の職人の技。
ため息が出るくらいの豪華さでありました。

その向かい側にあるのが、チラシに写っているお雛さまです。
明治時代に生糸商で財をなした田中平八氏(駒ケ根市出身)のお孫さんのもの。
お内裏様は御殿の中に入るスタイル。
ものすごいのはミニチュアのお道具の数々。
徳川のお姫さまのものと見られる婚礼道具をまさに小さくした、御厨子、黒棚、書棚(身の回り品を置いた棚=チラシの中央に写っているもの)
双六盤、将棋盤、囲碁盤、生け花道具、御所人形、茶道の台子、眉作り箱、歯黒箱、うがい琬…。

まあ、よくぞここまでという細かさで、お道具の数々がならんでいます。
こんなのでおままごと遊びをしたら楽しいだろうな…(笑)

お膳にはうつわのほかに祝い箸もあり、中の箸まで丁寧に作られているとか。
黒棚などは開き扉の内側にも、棚の裏面にも蒔絵が施されて、
江戸時代の技がそのまま生かされているとのこと。
はあああああ、とため息でした。

合わせて江戸や明治の打ち掛けなども展示されています。
お姫さまの着物を想像しながら、見学するのはいかがでしょうか。

べに

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